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2006年09月19日

これぞ車田イズム!侠気全開漫画「男坂」

「男が目指そうとする道は 所詮坂道でしょう!」

損得なしに理屈抜きに信念を通し、弱気を守る心立て。それこそ侠気。
きっと車田正美先生はこう言うでしょう。

「男が喧嘩弱くてどうするんだ!女の一人も助けれない男なんか漢じゃねぇぞ」
「男はな・・・一生に三度本気で喧嘩する時があるんだ・・・両親の侮辱を受けた時、愛する人を守る為、自分の信ずる道を邪魔する奴が現れたとき」

・・・といつの時代もこのテンションの、正に熱い男の中の漢、車田先生です。
聖闘士星矢を筆頭に、数多くの信者「マサミスト」を生み出し漫画界に残した功績は計り知れない。
生ける孤高のナルシスト漫画家です。


皆様は車田先生といえば何を連想しますか?
「リングにかけろ」?「風魔の小次郎」?やっぱ「聖闘士星矢」?

・・・ ・・・

普通です、確かにそう考えるのは至極普通で無難です、ごもっとも。
───だが私は、「男坂」ズバリこれを激しくプッシュします。
つーかこれか「サイレントナイト翔」しか考えられない。


「男坂」それは、1984年から1985年の週刊少年ジャンプで掲載され、コミック三巻という中途半端なまま終了してしまった、未完の痛快格闘漫画です。
さっそく車田先生の伝説のコメントを見てみましょう。

漫画屋にとって「オレはこいつを描きたいために、漫画屋になったんだ!」という作品がある。
デビュー以来十年有余、オレも今やっと、ガキのころから描きたかった作品を手がけている。
その喜びでいっぱいだ。
燃えろオレの右腕よ!そしてすべての試練をのり越えて、はばたけオレの『男坂』!

侠気ナルシスト正美先生が十年以上の構想を抱き、コレを書きたい為に漫画屋wになったそうです。
凄い躍起です、といいますか・・・


漫画屋って    漫画屋てwww


結局はばたく事が出来ませんでしね、先生。
あんなにも車田様式美を効かせて伏線はりまくったのに、打ち切りだなんて・・・。
私はなんか、こう、「真冬のかまくらで打ち上げ花火を見てしまった」そんな気分になりました。

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先生のガキの頃からの夢、単行本三冊で破れる

次々と出てくる伏線、なのにまったり進行、熱過ぎた喧嘩。
この三つが織り成すトライアングルの効果か、ジャンプ読者からの支持が得られず、早々に先生初の打ち切りとなりました。
一説にはあまりにも伏線をはりすぎて、話が壮大ネバーストーリーになり、収集がつかなくなったとも言われておりますが、真実の程はよくわかりません。


ストーリーは、千葉 九十九里の主人公、菊川仁義(13歳・高校生)が力で相手をねじ伏せ蹂躙しまくって、
ライバルと凌ぎを削りながら日本を制圧→世界と戦う(予定?)という車田イズム絶好調の物語。

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クロスボウ、真剣、四節棍とか、即夭折もありうるなんでもアリの戦闘を繰り広げます。※13歳の少年です

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これぞ車田イズムお家芸の、至宝のアングル


YEAH♪車田先生ノリノリ♪です。
耐性の無い万人は開いた口が塞がりません。
大抵はこのご都合主義的アングル一枚で、カタがつきます。
正直、これが有れば原稿締切日なんてどうとでもなっちゃいます。
でもまぁ、そんな事など車田先生にとっては、微塵も関係有りません、

「ど真ん中の直球勝負だ。それでいい。」 ※車田語録参照


ここらで、存在自体が荒唐無稽なキャラクターの紹介。

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「菊川仁義」
千葉の東雲中学生で主人公。敗北よりも死を選ぶ、地上で最後の硬派男。
(ライバルになるハズだった)武島将に、初めての敗北を喫する。
それから謎の鬼「喧嘩鬼」に弟子入りしてから、段違いに覚醒する。
真剣を二本の指でガード出来る男であり、自分の5,6倍はあるであろうノートンの巨体を片腕で持ち上げるなど規格外の強さ。
世界のジュニア達からの侵略に立ち迎える為に、世界に散らばる硬派を集めていた。

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「竹島将」
西日本で最大の勢力を誇る武島軍団の首領。紹介の時の背景に鳳凰が描かれるなど聖闘士星矢の一輝を連想させる。
左のパンチに何らかの秘密があり、一発で体の力が抜け主人公を沈める強さ。地上に現存する全ての格闘技を会得したらしいw
日本の首領になる為の、勝者の教育を骨の髄まで叩き込まれた男で、おそらく「仁義」最大のライバルとなったであろうに・・・。
JWCシカゴ代表のフォアマンを一蹴し、日本はJWC加盟に成功する。

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「喧嘩鬼」
正体はまったく不明。将に敗れた仁義に喧嘩を教える。
打ち切りの為、最後になっても正体不明のまま。
鬼山で、昔から喧嘩の修行をしているという惨忍な鬼の設定。どーゆー伏線にしたかったのかw

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「黒田闘吉」
「日本中をこの黒田闘吉 一色にぬりかえてやるのよ!」など大袈裟な演出と肩書きで派手に登場したはよいが、物語が進行するにつれての成り下がりがギャグレベルw
完全に仁義のパシリとなり"釣り餌のゴカイ"を捕らされる始末。これでも最初は99校、千葉の南西半分を支配下におく闘吉連合の頭だったのである。
仁義との決闘中、荒波にのまれ泳げない闘吉は溺死しそうになるも、仁義に助けられる。それに感化され一心同体の義兄弟となった。
仁義との野球シーンは中々の喜劇である。
今後、バキの「春成」並の咬ませ犬になった可能性大。好きな歌手はキョンキョンである。

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バックネットを貫く程の威力を持つ剛速球を投げる闘吉。マズい!「今度はぶつかるぅ」

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仁義、頭にブチ当たるであろうボールを豪快にホームラン。 んなアホな。

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いや、着目する箇所が違うぞ。

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「ジュニアワールドコネクション(JWC)の面々」
年に一度お互いを尊重し話し合って、不可侵条約を結ぶという会議が開かれる、その団体がJWCだ。
どう見ても中学生には見えない世界のドン達。
打ち切りの為、悲惨にもほとんどの奴らの出番が皆無に等しく、永遠に日の目を見る事は無かった。
唯一、ライオンの首をパワーで引きちぎったという逸話を持つフォアマンにいたっては、加盟を狙う武島将に触れることなく敗北。
ドン・ジャーメィンがこの団体の頭だと思われる、聖闘士星矢のハーデスのような存在になっていたのかも。

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「フレイザー」
シカゴの頭ファオマンが東日本に送り込んだ刺客部隊の隊長。
バイオレンスだけが支配する貧民街「ブロンクス」のエピソードを語るなど、敵の中でもかっこ良さが目立っており、傲岸不遜ながら多くの人気が集まったであろう。
漫画唯一の必殺技と思われる"ミッドナイトスペシャル"を繰り出す。
「男はつねに戦士であるべきだからだ!!」「自分自身も犬を食い殺すほどのビッグラットになるしかねえんだ!」など名言を残す。
仁義に敗北しアメリカに帰還。

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「神代直人」
武島軍の三番隊隊長。
シカゴから日本への侵略の際、千人もの人数で仁義の援軍に向かったが仁義にあっさり断られた為、ずーっと解説役で諦観していた。
力量不明。

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「キボウ」
突如現われた、ケンブリッジ大学・コスモポリタンアカデミーの卒業課程を終えたという天才少年。
なんと13歳の日本人である。その頭脳を活用するべく日本に帰郷する。
三国志の諸葛亮孔明みたいな存在にしたかったのだろうか・・・大体、この漫画に頭脳介入の必要性があるのかどうか疑問だ。
今後の展開がまったく予想が出来なかっただけに非常に残念無念である。
「アイム・ア・ジャパニーズ」という鮮烈強烈な名言を残す。

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とても頭脳明晰な奴の発言とは言えない単語を、微塵の羞恥心もなく自信たっぷりに発言するキボウ。

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「ウルフ」
なんか知らぬ間に車田的ご都合主義によって仁義の仲間になっっていたボウガン使い。
上州、赤城のウルフ軍の頭。いきなり敵の手を射抜いたりで、あぶなっかしい奴極まりない。
結局奇襲しかしない奴。世間を騒がせた矢鴨騒動の犯人はこいつだったのか・・・

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「梓鸞丸」
"あずさらんまる"と読む。まんま聖闘士星矢の紫龍w会津における昭和白虎隊の頭。
日本のリーダーになる三つの素質を全て兼ね備える人物。
最終的に仁義に協力を誓う。武力の程は全くの未知数である。
顔がソックリの弟がいる。

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「神威剣」
東北地方と北海道を支配している奥羽連合13人のリーダー。
こいつにいたってはシルエットのみの登場で、タレントの見栄晴も真っ青の存在感だ。
打ち切り間近だったのか、"至宝のアングル"によって僅か10ページくらいで奥羽連合13人全てがやられるのは圧巻の一言。


・・・とまぁ長々と、ある程度登場人物を紹介してきた訳なんですが、見て分かる通り謎ばかりで、実際に読んだ私も把握できません。
ほんと釈然としないんです。

前フリを大量にばら撒くだけ撒いといて未消化


そんなんあるか! そんなん・・・


次に神威剣と闘うぞ! って所で物語りは終了しちゃいました。
最後の2ページに先生の悲壮感が漂う、歴史的コメントを残しております。

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「オレは ようやく のぼりはじめた ばかりだからな」 「この はてしなく遠い 男坂をよ・・・」 未完
以下、巻末での生々しい車田先生のコメントです。

本来、打ち切りになった作品というのは、闇の彼方へ消えていく。
わずかな部数出た単行本も世間から忘れ去られてゆくものだ。
しかし、この「男坂」はどうだろう。
連載の打ち切り15年経った現在でも改訂を重ね、またこうして文庫本となって読者の目に留まる事になる。
面白いのか?面白くないのか?まさか二十一世紀まで、その答えを持ち越すとは思わなかったぜ。
ただひとつだけ、はっきり言える事は「未完」としているように、「男坂」に対する作家としてのオレの決着は、まだついていないという事だ

ちょwwwおまwww未 練 が ま し すwww
2006年9月現在、まだ「男坂」との決着はついておりません。
読者からあまたのラブコールはなかったのか!

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麗々しい「未完」の文字がw 

先生の抗い、悲壮、執着、全てが凝縮されております。


更に「ネバーエンド」で終了した「サイレントナイト翔」


この終わり方がもう一つの意味するもの───
つまりは日ハムの新庄の如く「記録よりも記憶」の作戦を踏襲したのですよね、先生?
そんな先生が僕は大好きです。

男坂 (上巻) (集英社文庫―コミック版)
男坂 (上巻) (集英社文庫―コミック版)
男坂 (下巻) (集英社文庫―コミック版)
男坂 (下巻) (集英社文庫―コミック版)


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この記事へのコメント
ブロンズなのに、ゴールドを倒してる、Ёさしです。ビートXが一番萌えだよ!車田…車 ダン吉
Posted by Ёさしです at 2006年09月22日 12:52
江刺さん>

深夜の、住まい情報のエロ番組お疲れさまです。
B'TX は半分くらいは読んだ記憶がありまして、んでツッコミ所が及第点だったもんで敢えてふれませんでしたという訳です。
Posted by りあす at 2006年09月25日 00:00
毎回こっそりと楽しみにしている者です。
スーパーモンキー大冒険の七章が早くみたいです。
よろしくですw PS、男坂読んでみます
Posted by はりもっちん at 2006年09月26日 17:21
はりもっちんさん>
いやはや、このような鬼畜マニアなサイトの常連でしたかw
どうも熱い激励ありがとうございます。最近仕事で色々と忙しいですが、期待に副えるようにガンガリたいと思います。
男坂は期待しないほうがいいですよ、はい。
大体私がピックアップするもんは異質なもんばかりですからw

Posted by りあす at 2006年09月29日 00:00
男坂、あのあとが、、

自分は、りんかけ、見て、車田正美が好きになった

Posted by がき中年 at 2013年07月21日 19:05
30年の時を経て決着(ケリ)を付ける瞬間(とき)が来ましたね。

数多の男達の喝采を浴び、今『男坂』連載復活!!!
Posted by P太 at 2014年06月05日 16:41
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